「食事を楽しく、自分で食べるを応援する」

障害を持った方の自力での食事をサポートするウィルシリーズ。
食べやすさの秘密は、持ち手の形状記憶ポリマー樹脂に隠されています。

形状記憶ポリマー樹脂の大きな特徴は熱に反応する点です。
熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まります。

形状記憶ポリマー樹脂とは1988年に三菱重工業が開発したポリウレタン系のプラスチック素材です。
当初は玩具やアイデア商品などが主用途でしたが、現在ではエンジン用オートチョーク・医療用カテーテルなど幅広い分野で使われており、一番身近に使われている商品は人形の髪といわれています。人形の髪はドライヤーで温めて柔らかくし、冷やして固めます。
この熱によって形を変える不思議な素材を食器具に使い製品化しようと考えたのは株式会社青芳の現会長青柳芳郎です。
青柳芳郎の親類には障害を持つ者がおり、なんとか自分の力で食べてもらいたいという気持ちで開発に取り組み、
1990年「ウィル・ワン(1)」が誕生しました。

スプーンに人が合わせるのではなく、スプーンが人に合わせる。
Uの字をしたハンドルは、手をやさしく包み込むことができる形。
形も決まった形はなく、自由に変えることができます。これによりスプーンを持つことができなくなった人でも手に合わせてハンドルを作ることにより自分の力で食事することができます。
その後ウィルシリーズは開発を続け、現在ではウィル・ファイブ(5)まで進化を遂げました。
ウィル・ワンは発売当時「スプーンL・スプーンS・フォーク・ユニバーサル(先割れ)スプーン」の4アイテムを販売し、発売して30年以上たちましたが、まだまだ現役で4アイテム販売中です。
ステンレスの金属部は新潟県燕市の職人が手仕上げにて作っています。
今まだ売れているのは製造当時の考え・デザインが最先端であった証拠です。

開発を進めていく内に子供向けに発売されたのが「ウィル・スリー(3)」です。
障害を持つお子様のために持ち手の形状を工夫しました。スプーンの皿の深さ・フォークの刃先など、福祉施設や大学とも共同研究し、カラーリングも保育施設との研究の上で決定しています。
子供に寄り添った使いやすいカトラリー追求し、2007年にキッズデザイン賞を受賞しました。
最新のウィルは「ウィル・ファイブ」です。
ハンドルの形状は、ウィル・ワンと同様、手に合わせて包み込むことができるデザインですが、ステンレスの金属部の首は力を加えて曲げることができるようになりました。
首部分も変形できることにより、更に利用者の食べやすさの向上につながりました。



ウィルは1本3,000円からと決して安いものではありませんが、
「ウィルでなければ食事ができない」
「ウィルのおかげで介助から自力摂取でき、食事が楽しくなった」
などという声を多くいただいております。

株式会社青芳の介護食器の歴史はウィルから始まっています。
「食事を楽しく、自分で食べるを応援する」をコンセプトは30年たった今でも変わりありません。
いつまでも満足と喜びを与えられる商品開発を行っています。

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